準備・段取り

調査・実測
受領した資料や図面をもとに、現場にて詳細な調査と寸法の実測を行います。
現場の状況と照らし合わせ、図面通りに施工可能かどうかを確認し、必要に応じて施工方法の検討を行います。
現場での実測結果が「Aさんの測ったところ、すごいぴったり合う」と評価されることは、技術者としての誇りと自信につながり、チーム全体の士気向上にも寄与します。
作図
配管製作や施工に必要な図面を、CADや手書きによって作成することもあります。
図面は監督者だけでなく、現場の職人も描く機会があり、作業全体を正確に進めるうえで重要な役割を担っています。
現場の状況や配管ルートを把握し、図面と照らし合わせる力を養うことで、徐々に自分で図面を描けるようになります。図面を「読む力」と「描く力」は、実務経験を通じて身につきます。

配管を製作

切断
図面に基づき、指示された寸法にパイプを切断します。
パイプにはさまざまな規格があり、配管径、材質も多岐にわたります。主に炭素鋼やステンレス鋼が使用されますが、内部を流れる物質や使用環境に応じて厚みや材質が異なります。
そのため、図面や仕様書の内容を正確に把握し、材質や寸法を取り違えないよう細心の注意を払って作業を行うことが求められます。
開先加工
切断したパイプは、溶接に適した形状(開先)に加工する必要があります。
開先加工では、主にディスクグラインダーを使用し、パイプの端部に角度や形状をつけていきます。この作業により、溶接しっかりと溶込み、十分な強度を確保できます。
正確な開先加工を行うためには、熟練した技術と経験が求められ、習得には一定の時間がかかりますが、作業効率を高めるために、治具や専用機械を使用するなど、工夫を凝らしながら作業を行います。


仮付け
加工したパイプと継手類(エルボ、チーズ、フランジなど)を組み合わせ、図面どおりの形状に仮組みを行います。これを「仮付け」と呼びます。
寸法・角度・ねじれの有無などに細心の注意を払いながら、正確に位置を合わせていく作業が求められます。わずかなズレが後工程(本溶接や据付)に影響を与えるため、慎重かつ丁寧な作業が必要です。
熟練者ほど、正確かつスピーディーに仮付けができる技術を身につけており、現場全体の品質や効率にも大きく貢献しています。
溶接
仮付けされた配管を、本溶接によって接合します。溶接は、構造の安全性と耐久性を左右する重要な作業であり、高度な技術が求められます。
当社では、TIG溶接、被覆アーク溶接、半自動溶接など、用途や材質に応じた複数の溶接法を使い分けています。炭素鋼やステンレスをはじめ、さまざまな材質に対応しながら、欠陥のない、美しく精度の高い溶接を追求しています。
溶接作業は、姿勢や動作の安定性、作業スピード、熱管理、素材の知識など多くの要素が関わる、奥深い技術領域です。


配管の種類
配管の接合方法には、溶接による接合のほかにも、用途や現場条件に応じたさまざまな工法があります。
当社では、ネジ配管、塩ビ配管、グルービング配管など多様な接合方式に対応し、それぞれの特性を活かした加工・製作を行っています。これらの工法を用途や施工状況に応じて提供しています。
配管テスト
配管の接合後は、欠陥や漏れがないかを確認するためのテスト(検査)を実施します。安全で信頼性の高い設備を提供するうえで、極めて重要な工程です。
当社では、水圧、気圧の圧力テストに対応しております。用途や仕様に応じて、いずれのテストにも柔軟に対応し、安心してご使用いただける配管をお引き渡しいたします。

現場施工

サポート・支持金物の取付
配管を安全かつ安定して設置するために、配管を支持・固定するための鋼材(サポート)や支持金物を取り付ける作業を行います。
固定方法としては、溶接による取付けのほか、アンカーやボルトによる締結もあり、設置環境や構造物の状況に応じて施工します。
配管取付
配管を所定の位置に取り付ける作業です。特に重量のある配管については、クレーンやチェーンブロック、ホイストなどの吊り上げ機材を用いて施工を行います。
取り付け時には、水平・垂直の精度を確認しながら設置することが求められます。また、勾配が必要な配管については、図面や指示に従い、正確な角度を保って取り付けます。
現場の状況や設備機器との取り合いも考慮し、安全性・機能性・施工精度を意識した作業が重要となります。

現場でのテスト
現場にて取付した溶接部やフランジ部などの配管接続部に対し、漏れの有無を確認するためのテストを実施します。これにより、施工後のトラブルを未然に防ぎ、信頼性の高い配管設備を提供します。
テスト方法は、施工内容や用途に応じて水圧テストや気密テストを選定し、所定の圧力をかけて異常がないかを確認します。
万が一、漏れや不具合が確認された場合には、速やかに手直しを行い、再度検査を実施することで、確実な品質を保証します。